2026.06.03

組織が成長する時に必ず起きる「見えなくなる問題」について

最近、痛感していることがある。組織が大きくなると、現場の「小さな変化」が見えにくくなるということだ。

先週、SUGAR&SPICEで働くキャストさんから相談を受けた。「最近、お客さんとの距離感で悩んでいる」という内容だった。話を聞いてみると、開業当初から通ってくださっているお客さんとの関係性が、時間と共に変わってきているらしい。

「昔はもっと気軽に話せたんですが、今は何だか気を使われている気がして…」

その時、ハッとした。これは僕自身にも起きていることだった。

開業して5年。3店舗になって、イベント事業も軌道に乗って。忙しさにかまけて、いつの間にか現場との距離が開いていた。キャストさんたちとの何気ない会話も減っている。

経営者として「仕組みを作る人」でいたいと常々思っている。でも、仕組みを作ることと、現場から離れることは違うんだと気づかされた。

翌日から、意識的に店舗に顔を出す時間を作った。キャストさんとの1on1の時間も月1回から月2回に増やした。すると、見えてきたものがたくさんあった。

Mimiでは、新人のキャストさんが先輩の接客スタイルを真似しすぎて、自分らしさを見失いかけていた。ユメヲカケル!では、常連のお客さんグループ同士の微妙な空気感を、キャストさんたちが気にしていた。

どれも、数字には現れない変化だった。でも、放っておけば必ず問題になる類のものだった。

組織論の本には「権限委譲が大切」とよく書いてある。もちろんその通りだと思う。でも、委譲することと、現場を知らなくなることは全く別の話だ。

マネジメントで一番大切なのは「変化に気づく力」だと最近つくづく思う。売上の変化、スタッフの表情の変化、お客さんの反応の変化。

数字で見える変化はまだいい。エクセルを開けば分かるから。怖いのは、数字に現れる前の「空気感の変化」だ。これを見逃すと、気づいた時にはもう手遅れになっている。

「信頼される店」を作りたいと思っているなら、まず僕自身がキャストさんたちから信頼される経営者でいなければならない。そのためには、現場の温度感を肌で感じ続ける必要がある。

仕組み化は大切だ。でも、仕組みの中で働く人たちの気持ちを置き去りにしては意味がない。

経営者として成長するということは、現場から離れることではなく、現場をより深く理解できるようになることなのかもしれない。まだまだ勉強不足だなと、42歳になっても思う毎日です。