「仕組みを作る」って、思ってたより地味な作業だった話
経営者は仕組みを作る人だ、と自分でも言い続けてきた。でも最近、その「仕組みを作る」という行為の解像度が、ずっと低かったことに気づいた。
少し前のこと。SUGAR&SPICEのスタッフから「この場合ってどうしたらいいですか?」という質問が立て続けに来た週があった。内容はどれも小さなこと。でも自分が即答できてしまっていた。
そこで気づいた。「自分がいなくても回る構造」を目指してるはずなのに、自分が答えを持ちすぎている、って。
いわば、俺がボトルネックになっていた。
仕組みを作るって、最初はマニュアルを整備することだと思っていた。次に、いい人材を採用することだと思っていた。でも実際にやってみてわかったのは、もっとずっと地味な作業の積み重ねだということ。
「この判断、なんで自分がしてるんだろう」と問い続けること。そして一つひとつを、現場が自分で判断できる形に落とし込んでいくこと。これが本質だった。
Mimiやユメヲカケル!を開業してから、店舗が増えた分だけ自分の関与できる密度は下がっていく。それは最初からわかっていた。だからこそ早い段階で仕組みを作ろうとしていたつもりだった。
でも現実は、俺が「なんとなく」で動かしていた部分が、思ったより多かった。長年の製造業経営の感覚でカバーしていた部分が、コンカフェという業態では通用しない場面も出てきた。
キャストさんたちは、判断軸がないと動けない場面で、すごく不安になる。それが積み重なると「働きづらさ」になる。辞めたくないと思ってもらえる職場を目指しているのに、自分が「判断の属人化」という壁を作っていた。正直、反省した。
今は意識して変えていることがある。自分が即答する前に「この判断、どこに書いてある?」「誰が決めてもいい話?」と一度立ち止めるようにした。そのうえで、基準が存在しないなら作る。既にあるなら伝わっていない、ということだから周知を見直す。
地味すぎて、ブログに書くようなことか迷ったくらいだ。でも、こういう地味な積み重ねを疎かにしてきたツケが、どこかのタイミングで必ず出る。それは製造業時代に嫌というほど見てきた。
大須のコンカフェエリアで複数店舗を動かしながら、アイドルのライブツアーも走らせて、正直に言うと「全部ちゃんと見れてるか」と問われたら自信を持ってYesと言えない日もある。
でも少なくとも、自分がいる前提で回している構造を、少しずつ「自分がいなくても回る構造」に換えていく作業だけは、やめたくない。
格好いい経営論じゃないけど、今の自分にはこれが一番大事なことだと思っている。

