2026.06.01

「稼げる店」より「居場所になる店」を目指すようになった理由

コンカフェ経営を始めて5年。最初は正直「どうやったら売上が上がるか」ばかり考えていた。でも今は違う。「キャストが辞めたくない店」「お客さんにとって居場所になる店」を作ることが、結果的に一番続く商売だと確信している。

きっかけは3年前の出来事だった。SUGAR&SPICEで働いていた子が、他店での嫌な経験を涙ながらに話してくれた時のこと。「ここなら安心して働ける」と言ってくれた言葉が、今でも経営の軸になっている。

コンカフェって、どうしても「稼ぎ」が注目されがちな業界だ。でも僕は違うと思う。キャストもお客さんも、みんな人間関係を求めてここにいる。安心できる場所、認めてもらえる場所、素の自分でいられる場所。そういう「居場所」を作るのが、僕たち経営者の本当の仕事じゃないか。

八咫烏舎で他の経営者さんと話していても感じるのは、長く続いている店ほど「人を大切にする仕組み」がしっかりしていること。短期的に稼げても、キャストが疲弊したり、お客さんが離れていったりする店は必ず行き詰まる。

僕が「舞台裏で動く」ことを好むのも、この考えから来ている。主役はキャストとお客さん。僕の役割は、その人たちが安心して過ごせる環境を整えること。システムを作って、問題を未然に防いで、困った時にはすぐ対応できる体制を維持すること。

もちろん、理想論だけじゃ商売は成り立たない。経営として成功しなければ、雇用も維持できないし、お客さんにも迷惑をかける。だからこそ「信頼される店作り」にこだわっている。信頼があれば、リピートしてもらえる。キャストも長く働いてくれる。結果として、安定した経営につながる。

最近、Mimiで働く子が「ここで働き始めてから自信がついた」と話してくれた。ユメヲカケル!のお客さんからは「疲れた時の癒しの場所」だと言ってもらえた。こういう瞬間が、僕にとって何より嬉しい。

大須コンセプトショップ協会の理事として業界全体を見渡すと、まだまだ改善できることがたくさんある。でも焦らず、まずは自分の店から。一歩ずつでも、みんなが安心して過ごせる場所を増やしていきたい。

経営者として完璧じゃない自分も含めて、等身大で向き合い続けること。それが今の僕なりのコンカフェ哲学だ。