数字じゃなくて、空気が変わった。それが一番の手応えだと思う。
正直に言う。今、めちゃくちゃ手応えを感じている。
数字で語れることじゃない。でも確実に、何かが変わった。そんな感覚が続いている。
SUGAR&SPICEを開業したのが2021年。当時の自分は、カフェ運営のカの字も知らなかった。製造業で20年近くやってきて、急に「接客業」の世界に飛び込んだわけだ。最初の1年はとにかく失敗の連続だった。スタッフへの伝え方が下手で空回りして、イベントを打てば段取りがグダグダで、「自分には向いてないかもしれない」と布団の中で何度思ったかわからない。
それが今、3店舗になった。Mimi、ユメヲカケル!と仲間が増えた。アイドルの全国ツアーもある。大須コンセプトショップ協会の理事という立場もある。
客観的に見れば「うまくいってる」のかもしれない。でも自分の中で一番大事にしていることは、そこじゃない。
先日、SUGAR&SPICEのキャストの子がこっそり教えてくれた。「ここ、辞めたいって思ったことないんです」って。
それだけで、全部報われた気がした。
稼げる店を作ることより、キャストが辞めたくない店を作ることの方が難しい。これは開業前から確信していたし、今もそう思っている。人が辞めない店は、お客さんにも必ず伝わる。空気が違う。常連さんが「なんか最近いい感じだよね」と言ってくれるとき、それはスタッフの状態が良くなっているサインだと思っている。
もちろん、全部うまくいってるわけじゃない。3店舗それぞれで課題は山積みだ。オペレーションが追いついてないところもあるし、自分が現場に入りすぎて「仕組み」より「人力」で乗り越えてしまっている場面もある。経営者は仕組みを作る人間だと思っているくせに、自分自身がまだその域に達していない。葛藤は正直ある。
今年に入って、八咫烏舎としての動きも少しずつ形になってきた。他の店舗さんのサポートをする中で、自分たちが積み上げてきたことが「再現できるもの」になりつつある手応えがある。誰かの役に立てているという実感は、純粋に嬉しい。
大須という街が好きだ。個性的な店が密集していて、尖った人が集まってくる。その中で「信頼される店」を作り続けることが、自分なりの大須への恩返しだと思っている。
目標は大きい。具体的には言わない。でも、5年後に振り返ったとき「あの2026年の夏が転換点だったな」と思えるような動きを、今まさにしているという感覚がある。
焦りじゃなく、静かな確信として。
それが今の自分の、一番正直な言葉だ。

