2026.06.30

現場って、こんなにも教えてくれる場所だったのか

経営者になって気づいたことがある。「現場にいると、答えが勝手に転がってくる」ということだ。

昨日、久しぶりにSUGAR&SPICEに顔を出した。特に用事があったわけじゃない。ただ、なんとなく行きたくなって、ふらっと立ち寄った感じだ。

店に入ると、新しく入ったキャストの子が接客の途中だった。まだ慣れていないのが一目でわかる。声が少し上ずっていて、手元がちょっとそわそわしている。でも、一生懸命だった。その「一生懸命さ」が、ちゃんとお客さんに伝わっていた。

ベテランのキャストがさりげなくフォローに入っている場面も見えた。言葉をかけるでもなく、ただ隣にいる。あの距離感は、マニュアルで作れるものじゃないと思う。

正直に言うと、こういう光景を見るたびにほっとする。自分が教えたわけじゃない。でも、ちゃんと文化が根付いている。それが一番うれしい。

一方で、バックヤードに回ったら、在庫の管理がちょっと雑になっているのを発見した。誰かが悪いとかじゃなくて、仕組みが追いついていないだけ。でも、それは完全に自分の責任だ。店が増えるペースに対して、バックヤードの整備が遅れている。2021年に1店舗目を開けてから、気づけば3店舗になった。成長の速さに、自分の管理体制が追いついていない部分がまだある。

キャストに「ここどうなってる?」って聞いたら、「実はちょっと困ってました」と返ってきた。なんで早く言わなかったの、って思ったけど、「言いやすい空気」を作れていなかったのは自分だ。そこは反省している。

その後、閉店後に少しだけスタッフと話した。雑談みたいな会話の中に、現場の本音がちゃんと混じっている。「最近こういうお客さんが多い」とか「あのメニュー、実は作るのが大変で」とか。そういう情報は、会議室では絶対に出てこない。

経営って、数字と向き合う仕事だと思われがちだけど、本当は「人と向き合う仕事」だと私は思っている。キャストが安心して働けているか。変なことが起きていないか。困っていることを言える空気があるか。そこを放置したら、どれだけ売上が良くても意味がない。

「自分がいなくても回る店を作る」というのが自分の理想だけど、それは「自分が関わらない」という意味じゃない。仕組みを整えながら、でも現場の空気は定期的に自分の肌で感じる。その両方が必要だと、昨日改めて思った。

きれいに整った経営なんて、まだまだできていない。でも、現場に行くたびに「なんでこの仕事をしているか」を思い出せる。それだけで、続けていける気がする。

今日も大須のどこかで、キャストたちは誰かの時間を作っている。その現場が、自分の原点だ。