2026.08.15

製造業の工場から、キャストの笑顔が集まる場所へ。私が歩んできた道のこと

「お前、カフェでも始めるの?」って、当時の取引先に言われた言葉を今でも覚えてる。

2021年、私は42年生きてきた中で一番「意味がわからない」と思われた決断をした。現役で製造業の会社を経営しながら、名古屋・大須にコンセプトカフェを開く、というやつだ。

製造業の世界は、とにかく「仕組み」の世界だ。ラインが止まれば損失が出る。品質管理がズレれば信頼を失う。人が代わっても同じものが作れる体制を整えることが、経営者の仕事だと身に沁みて覚えてきた。

その経験が、逆にコンカフェの世界で一番活きていると、今は思っている。

ただ正直に言うと、最初はひどいもんだった。

SUGAR&SPICEをオープンしたとき、私はこの業界のことをほぼ何も知らなかった。「お客さんが来てくれれば、キャストが頑張ってくれれば、うまくいく」なんて甘いことを思ってた。でも現実は違った。キャストが不安を抱えたまま笑顔を作っていた場面があった。私が気づくのが遅かった。それが今でも一番悔しい記憶だ。

製造業では「製品の品質」を守ることが絶対だった。でもこの仕事では「人の安全と安心」を守ることが絶対だと気づくまでに、少し時間がかかってしまった。

そこから考え方が変わった。

「稼げる店」を目指すより、「キャストが辞めたくない店」を作ることを最優先にした。仕組みを整えた。相談できる環境を作った。お客さんに愛されることより、まずキャストが安心して立てる場所にすることを選んだ。

その結果として、Mimiが生まれて、ユメヲカケル!が生まれた。3店舗になった今も、根っこにある考え方は変わっていない。

アイドル事業「SUGAR SPIRAL LIVE」の全国ツアーも、イベントの企画も、大須コンセプトショップ協会の活動も、全部そこから派生している。自分がいなくても回る構造を作り続けることが、私の役割だと思っている。

製造業で培ったのは「モノを作る力」じゃなくて、「場を設計する力」だったんだと、最近気づいた。

今日は終戦記念日だ。いろんな「転換点」について考える日でもある。

42歳になった私にとって、2021年の開業は間違いなく人生の転換点だった。格好よく語れる話じゃない部分も多い。でも、あの時に踏み出してよかったと、今ははっきり言える。

まだ全然、途中だけどね。