5年目の秋、「続いている」ことの意味をようやく理解した
続けることが、こんなに難しいとは思っていなかった。
2021年に最初のお店を開けてから、今年で5年が経つ。気づけば大須に3店舗。アイドルの全国ツアーも動いている。イベントも年間でいくつも走らせている。
数字で語るのは苦手だし、あえてここでは出さない。でも、「手応えがある」とは正直に言える。
ただ、それが嬉しさだけかというと、そうでもない。
5年前の自分に「5年後はこうなってるよ」と教えても、たぶん信じなかっただろうな、と思う。同時に、「あの頃に想像していた5年後」とは、少し違う形になっているとも思う。
思い通りにいかなかったことは、山ほどある。
キャストさんに辞められた夜、何が悪かったんだろうと何度も頭の中を巻き戻した。イベントが全然人が来なくて、スタッフと二人で会場の隅でうなだれたこともある。「これ、うまくいくのかな」と寝れない夜も、正直まだある。
それでも続いているのは、仕組みが育ってきたからだと感じている。
経営者の仕事は、自分が働くことじゃなくて、自分がいなくても動く構造を作ることだと思っている。それがようやく、少しずつ形になってきた実感がある。
たとえば、今のスタッフたちは、僕が細かく指示しなくても動いてくれる場面が増えた。お客さんへの対応、日々の運営、キャスト同士の関係性。全部が、自分たちで考えて動いている。
それが、一番大きな成長だと思っている。
僕は舞台の裏側にいる方が性に合っている。表に出るより、仕組みを整えて、人が輝ける場所を作る方が好きだ。だから、スタッフやキャストさんが前に出て活躍しているのを見ると、素直にいい仕事したな、と思う。
お客さんへの感謝も、毎年深くなっている。
来てくださる方々の中には、もう何年も通ってくれている方がいる。大須という街で、僕たちの場所を選んでくれている。それは「好かれている」というより、「信頼されている」に近い感覚だ。信頼は、一日では積めない。5年かけて、少しずつ積んできたものだ。
目標は、まだ先にある。
大須をもっと面白い街にしたい。コンセプトショップ協会の理事として動いている活動も、まだ道半ばだ。アイドルの全国ツアーも、次のステージを見据えている。やりたいことは、むしろ増えている。
5年目の秋、僕は満足していない。でも、確かに前に進んでいる。
それで十分だと、今の自分は思っている。

