「好かれる店」より「信頼される店」を作りたい、という話
正直に言う。コンカフェを始めた頃、僕は「人気店」を目指していた。
お客さんに喜ばれて、キャストが輝いて、話題になって。それが正解だと思っていた。でも3年ちょっと経って、今の僕が一番大事にしていることは少し違う。
「信頼される店を作ること」だ。
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コンカフェっていうのは、知らない人に説明するなら「コンセプトがある喫茶店」くらいの感じだと思ってほしい。メイドさんがいたり、特定のテーマがあったり。お酒を出す店もある。大須という街には今、そういうお店がたくさん並んでいる。
その中でSUGAR&SPICEを作って、Mimiを作って、ユメヲカケル!を作った。それぞれコンセプトは違うけど、根っこにある考え方は同じだ。
「キャストが辞めたくない店にする」ということ。
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これ、最初は「働きやすい環境を整えます」みたいなきれいごとに聞こえるかもしれない。でも全然そんなじゃない。
実際にキャストが不安を感じる場面に何度も直面してきた。お客さんとのトラブル、SNSでの悪意ある書き込み、シフトの不満、人間関係の摩擦。経営者として「仕組みで守れたこと」と「仕組みが間に合わなかったこと」の両方がある。
後者があるたびに、正直しんどい。
でもそのたびに思う。「稼げる店」の優先順位を上げすぎると、必ずどこかで人を削ることになる。それが嫌で、ずっと逆から考えてきた。
キャストが安心して立てる場所を作る。そこにお客さんが自然と集まる。結果として店が続く。この順番だと信じている。
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製造業の経営もやっている。そっちの世界と比べると、コンカフェって本当に「人」がすべてだ。
製造は機械を整えれば品質が安定する部分がある。でもこの業界は、キャスト一人ひとりの状態が、そのままお客さんの体験になる。機嫌とか、体調とか、その日の心持ちとか。そういうものが全部、カウンター越しに伝わってしまう。
だから「仕組み」を作りながらも、人を数字で管理しすぎることには慎重でいたい。
矛盾してるように聞こえるかもしれないけど、「自分がいなくても回る構造」と「人を大事にすること」は、両立できると思っている。むしろ、ちゃんと人を大事にしている店の方が、仕組みが生きる。
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42歳になって、やっとこの感覚が言語化できてきた気がする。
「好かれること」は一時的でいい。「信頼されること」は積み重ねていくものだ。
お客さんに「また来たい」と思ってもらえる店より、「この店には嘘がない」と思ってもらえる店の方が、長く続く。
キャストに「ここで働いていてよかった」と思ってもらえる瞬間が、たぶん僕の一番の報酬だ。
まだまだ途中だけど、この方向で進んでいく。

