経営者が現場に出すぎると、店は弱くなる
最近、痛感していることがある。経営者である僕が現場に出すぎると、店は確実に弱くなる。
3店舗目の「ユメヲカケル!」を開業して約1年。最初の頃は毎日のように店に顔を出していた。キャストさんたちの様子が気になって、お客さんの反応が気になって。でも、それが逆効果だったんだと気づいた。
転機は先月のこと。急な出張で1週間店を空けることになった。正直、不安だった。「大丈夫かな」「何かトラブルが起きないかな」って。でも戻ってきて驚いた。どの店も問題なく回っているどころか、キャストさんたちがいつも以上に生き生きしていた。
店長のあかりちゃんに聞いてみた。「佐野さんがいない間、みんなで話し合って新しいサービスを考えたんです。自分たちで決められるって、楽しいんですね」。その言葉にハッとした。
僕がいることで、無意識にキャストさんたちの判断力を奪っていたんだ。「佐野さんに聞いてから」「佐野さんがいないと決められない」。そんな空気を作ってしまっていた。
経営者の仕事は「仕組みを作ること」だと頭では理解していた。でも現実は違った。日々の小さな判断まで自分が関わろうとしていた。これじゃあ、僕がいないと何もできない店になってしまう。
今は意識的に現場への関わり方を変えている。週1回の店舗ミーティングと、月1回の個別面談。それ以外は基本的に現場の判断に任せる。最初は不安だったけれど、キャストさんたちの成長スピードが明らかに上がった。
「自分で考えて、自分で決める」経験を積むことで、彼女たちは確実に変わってきている。お客さんへの提案も前より積極的になったし、チームワークも良くなった。
失敗もある。先週はSUGAR&SPICEで小さなトラブルがあった。でも、それも含めて成長だと思っている。僕が全部先回りして防いでいたら、彼女たちは何も学べない。
もちろん、完全に放置するわけじゃない。大きな方向性を決めたり、困った時のサポートは僕の役割。でも日々の運営は現場に任せる。この線引きが、今の僕には必要だった。
3店舗を経営して3年。やっと「経営者らしい距離感」が見えてきた気がする。キャストさんたちが輝ける環境を作ること。それが僕の一番大切な仕事なんだと、改めて実感している。

