3店舗目1年、見えてきた「本当の経営」の形
ユメヲカケル!を開店して1年が経った。3店舗同時に回すということの重みを、ようやく理解し始めている。
最初の頃は正直、数字ばかり追いかけていた。売上、来客数、回転率。でも今思うと、それは経営の表面しか見ていなかったんだと思う。
本当の手応えを感じるのは、もっと違うところだった。
たとえば先月、SUGAR&SPICEの古株キャストから「新人さんの指導をもっと任せてもらえませんか」という提案があった。自分から言ってくれるなんて、3年前は考えられなかった。
Mimiでは、常連のお客さんがキャストの誕生日をちゃんと覚えていて、手作りのプレゼントを持参してくれる。それを受け取るキャストの笑顔が、完全に作り物じゃない本物の嬉しさなんだよね。
ユメヲカケル!では、開店当初ぎこちなかったキャスト同士が、今では休憩時間に本当に楽しそうに話している。仕事の話じゃなく、プライベートな相談もし合っている。
こういう光景を見ていると、「ああ、これが目指していた店なんだ」って実感する。
八咫烏舎の事業も、想定以上に相談が来るようになった。他の経営者さんから「キャストの定着率を上げたい」「長く働いてもらえる環境を作りたい」という話をもらう度に、自分たちがやってきたことは間違っていなかったんだと確信する。
大須コンセプトショップ協会での活動も、単なる名刺代わりじゃなくなってきた。地域全体で働く人たちを大切にする文化を作れれば、結果的に自分たちの店にも良い影響が返ってくる。そんな循環を感じ始めている。
もちろん、まだまだ課題は山積み。3店舗それぞれの個性をもっと明確にしたいし、キャストの成長をサポートする仕組みも改良の余地がある。自分がいなくても各店舗が自律して回る状態には、まだ到達できていない。
でも、確実に前に進んでいる実感がある。それも、数字だけじゃない部分で。
昨日、ある業界の先輩から「佐野さんのところのキャストさんたち、みんな長く働いてるよね。何か秘訣があるの?」と聞かれた。
特別なことはしていない。ただ、働く人が「明日もここにいたい」と思える環境を作ることを、毎日少しずつ積み重ねているだけ。
それが結果として、お客さんにも伝わって、地域にも評価されて、事業全体の成長につながっている。この循環を、もっと太く、もっと確実にしていきたい。
42歳で始めた挑戦。まだまだ道半ばだけど、目指すべき方向は見えてきた。

