2026.09.17

「まだ途中だ」と思えることが、今いちばんの手応えかもしれない

正直に言う。最近、ようやく「手応え」を感じている。

でも同時に、「まだ全然途中だな」とも思っている。その両方が、今の自分の中に同時に存在している。

2021年にSUGAR&SPICEを始めたとき、ぼくはコンカフェのことをほぼ何も知らなかった。製造業で長年メシを食ってきたおじさんが、名古屋・大須というアニメやサブカルの聖地に、カフェを作ろうとしていた。まわりから見たら、相当おかしな話だったと思う。

それが今、3店舗になった。アイドルの全国ツアーも動いている。業界を横断するような支援の仕組みも作り始めている。数字は出さないけれど、「形になってきた」とは言える。

ただ、形になるほど、見えてくるものがある。

課題が、増える。

キャストさんひとりひとりの表情をちゃんと見られているか。店の空気が「安心できる場所」になっているか。お客さんが「また来たい」と思ってくれているか。そういう、数字に出てこないところの話だ。

先日、あるキャストさんから、こんな言葉をもらった。「ここ、辞めたくないんですよね」って。

それを聞いたとき、ぼくは少し泣きそうになった。いや、泣いた。店の外に出てから、こっそり。

「稼げる店より、辞めたくない店を作る」というのは、最初からぼくの中にある言葉だ。でも言葉にするのは簡単で、実現するのは本当に難しい。毎月どこかで何かが起きて、その都度、自分の判断が正しかったのか分からなくなる。それでも、その言葉が実際にキャストさんの口から出てきたとき、「続けてきてよかった」と思った。

目標は、でかい。

大須というエリアを、もっと面白くしたい。コンカフェという文化を、もっと多くの人に届けたい。この業界で働く人が、もっと誇りを持てる環境を作りたい。アイドルと、カフェと、地域が、ひとつのエコシステムとして機能している状態を、実際に見せたい。

それがいつになるかは、分からない。

5年後かもしれないし、10年かかるかもしれない。途中で何かがうまくいかなくなることも、たぶんある。42歳のおじさんが「まだ途中だ」と言い続けていることを、笑う人もいるかもしれない。

でも今のぼくには、「まだ途中だ」と思えることそのものが、手応えに感じる。

終わった気がするとき、人はたぶん止まる。終わってないと思えるとき、人はまだ動ける。

ぼくはまだ、動いている。それだけは確かだ。