2026.06.10

「任せる」と「丸投げ」の境界線を学んだ話

組織が大きくなるにつれて「任せる」ことの難しさを痛感している。

先月、新しく入ったキャストさんの研修を店長に「お任せします」と伝えた。僕としては店長を信頼して権限を渡したつもりだった。でも2週間後、そのキャストさんが不安そうな顔で僕のところに相談に来た。

「佐野さん、私のこと嫌いですか?全然話しかけてくれないので…」

ハッとした。僕は「任せる」つもりだったけど、彼女からすれば「放置された」と感じていたのだ。

店長に確認すると「佐野さんが任せるって言ったので、報告はいらないかと思って」という返事。お互い良かれと思ってやったことが、結果的に新人さんを不安にさせてしまった。

3店舗を運営していると、どうしても一人ひとりに向き合う時間が減る。だからこそ各店の店長やベテランキャストさんに頼る場面が多くなる。でもそれを「任せる」という名の「丸投げ」にしてはいけないんだと気づいた。

今は「任せる」ときのルールを変えた。必ず「いつまでに」「どんな状態になったら」「誰に報告するか」を明確にする。そして僕自身も定期的に様子を見に行く。

SUGAR&SPICEの店長のあやかちゃんは「佐野さんが顔を出してくれると、キャストみんな安心するんです」と言ってくれた。経営者が「仕組みを作って後は任せる」のは理想だけど、人の気持ちはそんなに単純じゃない。

ユメヲカケル!で働く新人のまいちゃんは最近、お客さんとの会話が上手になってきた。でもそれは店長が丁寧に指導してくれたからだけじゃない。僕が週に一度は必ず声をかけて「どう?何か困ってることない?」と聞いているからでもあると思う。

小さな声かけ。短い時間でも顔を合わせること。それが「任せる」と「丸投げ」の境界線なのかもしれない。

完璧な仕組みを作れば人の心も動かせると思っていた。でも人間関係に完璧な仕組みなんてない。今日もMimiに顔を出して、キャストのみんなと少しでも話そうと思う。それが僕なりの「任せ方」だ。