2026.10.12

「好かれる店」より「信頼される店」を。それだけを考えてきた3年間。

正直に言う。コンカフェを始めたとき、流行に乗っているだけじゃないかと思われていた自覚がある。

製造業の経営者が、なぜ名古屋・大須でコンカフェを? そう聞かれることは今でも多い。

答えは単純だ。「ここにいたい」と思える場所を作りたかった。それだけ。

2021年にSUGAR&SPICEを開業して、今年で5年目に入った。Mimiも立ち上げて、ユメヲカケル!もできた。3店舗になって、スタッフもキャストも増えた。でも、根っこにある考えは変わっていない。

「稼げるコンカフェより、キャストが辞めたくないコンカフェを作る」

これが自分の軸だ。

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なぜそこにこだわるのか。

開業して間もないころ、あるキャストの子が突然来なくなったことがある。連絡が取れなくなって、数日後に「体調を崩していた」とだけ聞いた。

そのとき初めて気づいた。自分は「店を作った」つもりでいたけど、「働く人が安心できる場所を作ること」を後回しにしていた、と。

シフト管理も、相談できる窓口も、何かあったときのフォロー体制も。何もなかった。恥ずかしい話だけど、それが現実だった。

そこから少しずつ変えてきた。仕組みを作ることに時間を使うようにした。自分が現場に張り付かなくても、キャストが安心して立てる構造を。

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「好かれる店」というのは、雰囲気がよくて、SNSで映えて、お客さんの数字が伸びていく店のことだと思っていた時期がある。

でも今は違う考え方をしている。

「信頼される店」というのは、何かあったときに頼れる店のことだ。キャストが困ったときに相談できる。お客さんが何年経っても「あの店は誠実だった」と思える。そういう積み重ねでしかできないものだと思っている。

派手さはない。数字が急に跳ね上がるわけでもない。地味で、遅くて、回り道に見える。

でも、それでいいと腹を括った。

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八咫烏舎でコンカフェ支援の事業もやっている。大須コンセプトショップ協会の理事も務めている。SUGAR SPIRAL LIVEというアイドル事業で全国をまわることもある。

関わる人数が増えるほど、責任の重さは増す。

正直、しんどいと思う瞬間もある。判断を間違えたと気づいて、眠れない夜もある。

それでも続けているのは、キャストたちの顔が浮かぶからだ。

ステージに立つ彼女たちの緊張した顔、お客さんに「また来ます」と言われたときの表情、閉店後にこっそり「今日楽しかったです」と送ってくるメッセージ。

そういうものが積み重なって、自分はここにいる。

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哲学、なんて大げさな言葉を使うつもりはない。

ただ、「人が辞めたくないと思える場所を作り続ける」という一点だけは、ブレずにいたい。

今はまだ途中だ。理想には程遠い。でも、5年前の自分よりは少しだけ、ちゃんとした場所を作れていると思っている。

それで十分だと、今は思っている。