「自分がいないと回らない」は経営者の失敗だと気づいた話
正直に言う。つい最近まで、自分がいないと不安だった。
店のことが気になって、キャストからの連絡が来るたびにすぐ返して、判断が必要なことは全部自分でやっていた。それが「ちゃんとした経営」だと思っていた。
でも違った。
先週、ちょっとした用事で3店舗すべてに顔を出せない日があった。SUGAR&SPICEもMimiもユメヲカケル!も、僕が何もしていないのに、普通に営業が回っていた。スタッフが判断して、動いて、お客さんが笑顔で帰っていった。
それを後から聞いて、最初は「よかった」と思った。でも次の瞬間、なんか恥ずかしくなった。
「あ、俺がいなくても回るじゃん」じゃなくて、「今まで俺がいないと回らない構造にしてたのは、俺のせいだったんだ」って。
経営者って、自分が動けば動くほど有能に見える。でもそれって実は、仕組みを作ることをサボっているだけなんだと思う。スタッフが「これどうすればいいですか?」って聞いてくる状況は、判断する基準を渡せていないってことだから。
僕はずっと「キャストが辞めたくない店を作りたい」と言ってきた。でも、現場の判断を全部自分に依存させる構造って、実はキャストやスタッフの成長を止めていたんじゃないかとも思う。自分で考えて動ける余白を、無意識に奪っていたかもしれない。
最近、少しずつ「判断の基準」を言語化するようにしている。「こういう場面ではこう動く」「優先順位はこの順番」みたいなことを、なるべく口頭じゃなく形にして渡す作業。地味だし時間もかかる。でも、これをやらないと結局ずっと自分が現場に引っ張られ続ける。
SUGAR SPIRAL LIVEの全国ツアーも動いているし、八咫烏舎としての支援事業も広がってきた。やることは増える一方で、自分の時間は有限だ。だからこそ「自分がいなくても回る仕組み」は、もはや理想じゃなくて必要なことになってきた。
偉そうなことを書いたけど、まだ全然できていない。昨日も気づいたら細かいことに口出ししていた。癖って怖い。
でも、気づいたことは変えていけると思っている。ゆっくりでも、確実に。
今の僕は「手放す練習中」の経営者です。

