2026.07.20

「好かれる店」より「信頼される店」を作りたい、という話

結論から言う。俺がコンカフェをやる理由は、「稼ぎたいから」じゃない。

信頼できる場所を作りたいから、だ。

これを言うと、きれいごとに聞こえるかもしれない。でも2021年にSUGAR&SPICEを開業してから5年ちょっと、ずっとこの一点だけはブレていない。

コンカフェというのは、簡単に言うと「コンセプトのあるカフェ」だ。メイドさんがいたり、特定のテーマで世界観を演出したりする空間のこと。お客さんはその世界観とキャスト(スタッフ)との会話を楽しみに来る。

俺はもともと製造業の経営者だった。全然違う世界だ。

でも業種が変わっても、経営の本質は変わらないと思っている。「人が安心して働ける場所かどうか」が、全部の土台になる、ということ。

正直に言うと、最初の1〜2年は失敗だらけだった。

ルールが曖昧なまま走り出して、キャストが困惑した場面が何度もあった。俺が思い描いていた「楽しい空間」と、キャストが実際に感じていた「しんどさ」が、全然噛み合っていなかった。

ある日、キャストの一人にこっそり言われた。「ここ、楽しそうに見えるけど、不安なんです」って。

その言葉が刺さった。ずっと刺さっている。

それから考え方が変わった。お客さんに「好かれる店」を作ることより、キャストが「辞めたくない店」を作ることを最優先にしようと。

なぜかというと、キャストが安心していないと、本当の笑顔は出ない。作り笑顔って、わかる人にはわかる。お客さんを大切にしたいなら、まずキャストを守らないといけない。

そのために仕組みを作ることが、経営者の仕事だと思っている。

ルールを明文化する。相談できる窓口を作る。問題が起きたときに俺が矢面に立つ。派手なことじゃないけど、こういう地味な積み重ねが「信頼」になっていく。

今、大須でMimiとユメヲカケル!も運営しながら、アイドルのライブ事業や様々なイベントも手がけている。

規模が大きくなるほど、「俺がいなくても回る構造」を作ることが課題になってくる。これは今も悩んでいることだ。まだ完成していない。

「信頼される店」というのは、派手な演出や話題性じゃなくて、毎日の小さな積み重ねでしかできない。

正直、カッコいい答えは出ていない。でも今もその方向に向かって走っている。それだけは確かだ。