2026.07.08

「自分がいないと回らない」は、経営者の失敗だと気づいた日

正直に言う。つい最近まで、自分がいないと不安だった。

店のこと、スタッフのこと、イベントのこと。全部自分の頭の中に入ってないと気が済まなかった。それが「責任感」だと思ってたし、むしろそれを誇りに思ってた部分もあった。

でも先月、ちょっとした体調不良で2日ほど完全に動けない時期があった。

そのとき気づいた。

店は普通に回ってた。

Mimiもユメヲカケル!も、スタッフが判断して、お客さんを迎えて、問題があれば自分たちで解決してた。僕が毎日送ってたような細かい指示も、確認のメッセージも、何もなかったのに。

最初は「よかった」と思った。次の瞬間、「あれ、自分って何してたんだろう」ってなった。

経営者って、仕組みを作る人だと思う。自分がいなくても回る構造を設計するのが仕事なんだよな、本来。でもSUGAR&SPICEを作った2021年から今まで、僕はずっと「現場にいる経営者」を続けてきた。それが正解だと思ってたし、スタッフやキャストとの距離が近いことに価値を感じてた。

間違いじゃなかったとは思う。でも、それに甘えてた部分もあった。

仕組みを作るより、自分が動く方が早いから。判断を渡すより、自分が決める方が確実だから。そうやって、気づかないうちに「自分が必要な状態」を維持してたんだと思う。

これ、スタッフにとっては優しくない話だなって、ようやく分かった。

自分が頼られないと不安な経営者って、結局スタッフが育つ場所を奪ってるんだよな。判断する経験も、失敗する機会も、全部先に自分が刈り取ってしまう。

キャストが辞めたくない店を作りたい、ってずっと言ってきた。でもそれって、「ここにいたら成長できる」って感じてもらえる環境がないと成立しない話で。安全や給与だけじゃなくて、任せてもらえる実感も、人が居続ける理由になるんだと思う。

3店舗になって、SUGAR SPIRAL LIVEの全国ツアーも動いて、八咫烏舎としての動きも増えてきた。正直、全部を自分でコントロールするのはもう物理的に無理だ。

それが分かってたはずなのに、ちゃんと手放せてなかった。

今は少しずつ、「任せる設計」を意識的に作り直してる。マニュアルとか権限の範囲とか、面倒くさいけど地道にやってる。

完璧な仕組みができてる経営者に見せたいわけじゃなくて、今の自分はまだその途中にいる。

でも2日間、僕なしで店が回ったあの事実は、正直ちょっと誇らしかった。スタッフのことを。