現場は正直だ。今日もキャストに教えてもらった話
経営者が現場に出ると、たいてい何かを学んで帰る。今日もそうだった。
七夕の今日、大須の3店舗はそれぞれ七夕飾りを出して、お客さんに短冊を書いてもらう企画をやっていた。去年もやって好評だったやつだ。準備はスタッフに任せていたんだけど、午後にSUGAR&SPICEに顔を出したら、入口の笹飾りがちょっとバランス悪くて、風で揺れるたびに短冊が何枚か落ちそうになっていた。
「これ、直した方がよくない?」って声をかけようとしたら、すでにキャストの子が対応していた。自分でハサミと追加の紐を持ってきて、もう修正作業をしている。俺が気づくより先に。
何も言えなかった。
そういう場面、最近よくある。俺が「あ、これどうする?」って思った瞬間には、現場の子たちがもう動いている。正直、最初のころはそれが少し寂しかった。俺がいなくても回るようになってきたな、って。でも今は違う感覚がある。これが理想の形なんだよな、って思えるようになった。
経営者の仕事は「自分がいなくても回る仕組みを作ること」だって、ずっと言い続けてきた。でもそれを本当に実感できるようになったのは、ここ最近のことだ。言葉にするのは簡単で、実現するのは全然簡単じゃない。
今日、別の子と少し話した。Mimiのキャストで、入って半年ちょっとになる子。「最近、仕事が楽しくなってきた」って言ってくれた。最初は緊張してばかりで、お客さんとの会話が続かなくて悩んでたって話は、シフトリーダーから聞いてた。
何がきっかけで変わったのか聞いたら、「先輩が『失敗してもフォローするから、まず動いてみて』って言ってくれたから」だって。
俺が言った言葉じゃない。でもそれがちゃんと現場の中で伝わっていた。
こういう話を聞くと、採用とか育成とか、そういう仕組みの話じゃなくて、単純に「ここに来てくれてよかった」って気持ちになる。
一方で、今日反省したこともある。ユメヲカケル!のほうで、イベント準備の細かい確認事項が俺のところで止まっていた。スタッフから「決まってないとシフト組めない」って連絡が来て、気づいたらもう夕方だった。俺のレスが遅れたせいで、現場に余計な心配をかけた。
仕組みを作る側の人間が、一番ボトルネックになってどうするんだという話だ。これは素直に反省している。
七夕の短冊、何枚か読ませてもらった。「推しにまた会えますように」「大須にまたこれますように」。そういう言葉が並んでいた。
この場所に来ることが、誰かの「願い事」になっている。それは重いことだと思う。軽く扱っちゃいけない。
信頼される店を作るって、派手なことじゃない。今日みたいな、地味で小さい積み重ねの話だと俺は思っている。

