2026.09.23

「自分がいないと回らない」は経営者の失敗だと気づいた話

正直に言う。つい最近まで、自分がいないと何も決まらない状態が続いていた。

SUGAR&SPICEを2021年に開業して、気づけばMimi、ユメヲカケル!と3店舗になった。アイドル事業のSUGAR SPIRAL LIVEも全国ツアーを回している。イベントも複数動いている。

やること、決めること、確認すること。全部が自分に集まってくる。

最初はそれが「経営してる感」だと思っていた。自分が動けば動くほど、物事が前に進む。その感覚が、正直気持ちよかった。

でもある日、スタッフから「健人さんがいないと判断できないことが多くて、みんな困ってます」って言われた。

刺さった。

自分がいないと回らない組織って、実は自分が一番のボトルネックなんだと。その日初めてちゃんと理解した。わかってたつもりで、全然わかってなかった。

経営者って「仕組みを作る人」だと口では言ってきた。でも実態は「自分が動き続ける人」になっていた。これは失敗だ、とシンプルに思った。

そこから少しずつ変えた。

まず「自分しか知らないこと」を洗い出した。これが思ったより多くて、ちょっと恥ずかしくなった。仕入れのルートも、キャストさんのシフト調整の基準も、イベント発注先との関係性も。全部自分の頭の中にしかなかった。

一個ずつ言語化して、共有した。「こういう時はこう判断する」という基準を文字にした。完璧じゃないけど、それでいいと思うようにした。

変化は少しずつ出てきた。現場のスタッフが自分で動けるようになってきた。小さな判断を、自分に確認せずに進めてくれるようになってきた。

キャストさんが安心して働ける場所を作りたい、とずっと言ってきた。でも「自分がいないと何も動かない店」って、実はキャストさんにとっても不安な環境だよな、と気づいた。

辞めたくないコンカフェを目指す、と言い続けてきた。その土台は「人」だけど、同じくらい「仕組み」でもある。どちらか片方じゃ成立しない。

食べ歩きが好きで、いろんな繁盛店を見てきた。長く続く店って、オーナーがいてもいなくても、同じクオリティで動いている。それが本物の強さだと感じてきた。自分の店もそこを目指さないといけない。

まだ道半ばだ。でも「自分が全部やらないといけない」という思い込みは、少し手放せた気がする。

それだけで、だいぶ景色が変わった。