2026.11.04

「自分がいなくても回る」は、逃げじゃなくて愛だと気づいた話

経営者って、現場にいればいるほど「ちゃんとやってる」気がする。でも最近、それが一番ダメだったと気づいた。

少し前の話をする。SUGAR&SPICEをオープンして数年、店が増えて、スタッフも増えて、自分がいる時間は確実に減っていった。正直、最初はすごく罪悪感があった。「俺がいない間、ちゃんと回ってるのかな」「何かあったらどうしよう」って。毎日スマホを気にして、連絡が来るたびにドキッとして。

そんなある日、自分がいない日に小さなトラブルがあった。でもスタッフが自分たちで判断して、お客さんにもキャストにも影響を最小限に抑えて、ちゃんと解決していた。しかも報告を受けたのは翌日。「昨日こういうことがあって、こう対応しました」って、淡々と。

最初は「なんで連絡くれなかったの?」って思いかけた。でも一瞬立ち止まって、違うなって気づいた。これは、仕組みが機能したってことだ。そしてスタッフが「自分で考えて動ける」状態になってるってことだ。

俺がいないと不安、じゃなくて、俺がいなくても大丈夫、の状態を作ることが経営者の仕事だったんだ。頭ではわかってた。でも体感としてわかったのはこの時が初めてだった。

製造業の会社もそうだった。最初は全部自分でやろうとして、全部の判断を自分に集めて、疲弊して、ミスが増えた。コンカフェを始めた時も同じ轍を踏みかけてた。

「自分がいなくても回る」って、サボることじゃない。むしろ逆で、そのための仕組みを作ること、スタッフが判断できる環境を整えること、信頼して任せること、これが一番しんどくて、一番大事な仕事だと思う。

任せるって、怖い。失敗するかもしれないし、自分だったら違うやり方をするかもしれない。でも、そこで口を出しすぎると、スタッフは「どうせ最後に社長が決める」って考えるようになる。考える筋肉が育たなくなる。

俺はキャストの子たちに「辞めたくない店」を作りたいと思ってる。それって給料だけじゃなくて、「ここで働くと自分が育つ」「信頼されてる実感がある」ってことだと思う。そのためには、俺が全部抱え込む経営じゃなくて、任せる経営に切り替えないといけない。

まだ全然うまくできてない日もある。ついつい口を出したくなる。「俺がやった方が早い」って思う瞬間もある。でも、そこをグッとこらえて、後ろから見守る。これが今の自分の課題だ。

かっこいい話じゃないけど、これが今の正直なところ。