2026.11.05

目標を口に出すのが怖かった自分が、今ここに立っている話

正直に言う。3年前の自分は、「コンカフェを複数店舗やる」なんて言葉を声に出せなかった。

製造業の経営をしながら、大須に小さなカフェを一軒開けた。それだけで精いっぱいだったし、うまくいく保証なんてどこにもなかった。むしろ「なんで製造業の社長がそんなことを」って目で見られることの方が多かった気がする。

それでも今、SUGAR&SPICE、Mimi、ユメヲカケル!の3店舗が大須で動いている。アイドルの全国ツアーも走っている。コンカフェを支援する会社も立ち上げた。イベントも年間でいくつも仕掛けている。

数字で語るつもりはないけど、「確かに育ってきた」という手応えは、体でわかる。

先月、ある出来事があった。スタッフのひとりが、ミーティングで「次のイベント、こうしたらもっと良くなると思うんですが」と自分から提案してきた。細かい部分まで考えてきていた。自分がゼロから指示しなくても、現場が動く。これが地味に、一番うれしかった。

経営者って、自分がいなくても回る仕組みを作る人だと思っている。だからこそ、あの瞬間は「ちゃんと向かっている」と感じた。

もちろん、うまくいかないことも全然ある。キャストさんとの関係で悩んだこともある。イベントの集客が読めなくてヒヤリとしたこともある。「これで良かったのか」って夜中に考え込むことも、今でもある。

完璧な経営なんてしていない。ただ、「キャストが辞めたくないと思える店にする」という軸だけは、ずっとブレていない。稼げる店より、ここで働きたいと思われる店。それだけを、ずっと考えてきた。

大須という街も、少しずつ変わってきた。コンセプトショップが集まり、協会という形でつながりができた。ひとつの店が良くなるだけじゃなく、エリア全体で面白くなっていく感覚がある。その渦の中に自分もいる。

目標はまだ先にある。もっと大きくしたいこともある。でも今日は、ここまで来られたことを、ちゃんと自分で認めておきたかった。

42歳。まだ動ける。それが今の、自分の実感だ。