2026.05.09

製造業から始まった僕の「仕組みづくり」への執着

今日は少し昔の話をしたい。なぜ僕が製造業からコンカフェ経営に転身したのか。その根っこにあるものについて。

実は、業界は変わったけれど、僕がやっていることの本質は変わっていない。それは「仕組みを作ること」だ。

製造業時代、僕は毎日工場の現場を歩き回っていた。品質管理、生産効率、従業員の安全。全てが「仕組み」で決まる世界だった。一つの歯車が狂えば、全体が止まる。だからこそ、誰がいなくても回る仕組みを作ることに必死だった。

2021年にSUGAR&SPICEを開業する時、周りからは「なんで急にカフェなんて」と言われた。でも僕にとっては自然な流れだった。製造業で培った「人が安心して働ける環境を作る技術」をそのまま活かせると思ったから。

最初は失敗の連続だった。製造業とサービス業は全然違う。数字で管理できることには限界がある。お客さんの気持ち、キャストさんの気持ち。目に見えないものを大切にしなければいけない。

特に印象に残っているのは、開業から3ヶ月目のこと。ある子が突然辞めると言い出した。理由を聞くと「居場所がない」と。僕は愕然とした。安全な環境は作れていたけれど、心地よい居場所は作れていなかった。

そこから考え方を変えた。製造業の「効率重視」から、「人重視」へのシフト。マニュアルだけでは解決できない部分にもっと目を向けるようになった。

Mimi、ユメヲカケル!と店舗を増やしていく中で、僕の中の「仕組みづくり」の定義も変わっていった。単純に業務を標準化するだけじゃない。一人ひとりが自分らしく働ける余白を残した仕組み。それが今の僕の目指すものだ。

八咫烏舎を立ち上げたのも、大須コンセプトショップ協会の理事になったのも、同じ想いから。業界全体がもっと働く人にとって居心地のいい場所になればいい。

製造業時代の僕は、完璧な仕組みを作れば全てうまくいくと思っていた。でも今は違う。仕組みは土台でしかない。その上に人の想いが乗って、初めて意味を持つ。

42歳になって思うのは、転機なんて後から気づくものだということ。あの時工場を歩き回っていた経験も、今キャストさんたちと話している時間も、全部繋がっている。

これからも僕は仕組みを作り続ける。でも、そこで働く人の笑顔を忘れない仕組みを。